アンケート Q&A (1頁)

30.12.9 講演会アンケート(回答)(1ページ)

(1)【ご質問】柴本先生の話で「介護者の方が先に元気にならなければいけない」という話が分かるように案内してほしいと思います。年に1万人以上増えている現状で今後の方たちのために。

【柴本先生の回答】「介護者の方が先に元気にならなければいけない」という意味は、介護者が、先の見えない介護に不安になり、疲弊し、当事者より先に倒れてしまうことがないように、ということです。

介護者が元気なら、いくらでも当事者を支え、その回復に力を注げるのですが、介護者が鬱になったり疲れ果ててしまうと、当事者を支えるどころか、自分すらも支えることができなくなり、非常に危険な状況に陥ると思います。

介護者は、高次脳機能障害に限らず、高齢者介護、病人の介護などでも共通して、自分を後回しにして(あるいは自分を過信して)、介護が必要な人のお世話に奔走してしまいがちなので、そうならないようにという警告のつもりで話しました。

もし介護者が当事者を残して先に倒れてしまった場合、その当事者のお世話を最も近くでしてくれていた人がいなくなるのです。当事者も困ってしまうでしょう。だから何よりもまず、介護者が元気になることが、ひいては当事者の幸せにも繋がるのです。共倒れになるのではなく、共に助かるためです。

 

(8)【ご質問】人に話せば、大したことでないと捉えられるような毎日の出来事の積み重ねで疲れがたまる。20代の息子の将来が不安・今後、他の兄弟にもどんな影響がでるのか。

【柴本先生の回答】夫が受障して14年以上経つ私も、相変らず日々疲れが溜まります。「物いわぬは腹ふくるるわざ」という言葉がありますが、愚痴でも何でも、言いたいことを我慢していると体に毒です。なので、愚痴は言葉にして誰かに話すことです。話す=(重荷を)放す ということであり、気心知れた仲間や、同じ経験をした人たちに話したり、ほかの人の話を聞いたりすると、心が軽く元気になるものです(経験から実感しています)。

自分と同じような方は実は沢山いらっしゃるので、やはりそういう方たちと繋がり、情報交換したり、相談し合ったり、周りに働きかけたりしていくといいのではないでしょうか。支援者(行政・福祉・医療機関その他)とも繋がり、味方になってもらうといいでしょう。 ほかのご兄弟もご自身で色々な思いや考えをお持ちだと思いますが、障害を持つ人が1人でも家族の中にいらっしゃると、その御家庭は結束が固くなると言われています。思いやりの気持ち、支え合う気持ちが芽生えるからで、障害を持つ人は、その御家族にとって素晴らしい貴重な存在だと考えます。 中には、そう思えず苦しまれる方もいらっしゃいますけれど、よく考えれば、実は今の状況は有難いのだということに気づきます。そう思えるようになれば、あとは笑顔で前進あるのみ。疲れた時は無理せず休み、元気が戻ればまた歩き始める。 そのうち視界が開け、世界が広くなってくる。障害を持つ人のいるご家族は、皆さんそういう同じ経験をされているのではないでしょうか。家族に障害を持つ人がいてくれることで、世界が広く、人生が豊かになると思います。経験されない方の人生は、申してはなんですが、狭く未熟で無知なものなのではないでしょうか。障害を持つ家族へは、感謝あるのみなのです。

もしかしたら、御質問者はまだご家族が障害を負われて、年数が浅いのかもしれません。今の心配が尽きない疲れるばかりの怒涛の日々を過ぎれば、年月とともにご自身もきっと心穏やかになってきますし(明るく、笑えるようになってくる)、当事者の障害も改善してきますし、「なるようにしかならない」「ケセラセラ」という肝の据わった心境になってくると思います。そういう意味もあり、私は講演の最後に、「大事なのは、ユーモア、時の経過、仲間、家族の結束。」と申しました。けれど何よりも、ご自身の健康(心と体の)を最優先されてください。それが一番大事です。