高次脳機能障害の原因・障害の態様・診断基準  

● 高次脳機能障害の原因(脳損傷となる原因)
・交通事故、バイク事故、自転車事故、接触事故などによる脳外傷(脳挫傷、硬膜下血腫)
・転倒、転落などによる脳外傷(脳挫傷、硬膜下血腫)
・脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、もやもや病など脳血管疾病による脳損傷
・心筋梗塞による低酸素脳症
・溺れるなど水難事故、窒息、一酸化炭素中毒などによる低酸素脳症
・スポーツ事故(柔道の回転加速損傷、スキー衝突事故など)
・脳炎、脳腫瘍、薬物中毒などによる発症
これらの原因によって脳の器質性病変が認められますが、外傷性脳損傷と脳血管障害が大半を占めており、外傷性脳損傷は若年者に、脳血管障害は高齢者に多い傾向があります。
これらの器質性病変の確認には画像診断によるCT・MRI・脳血流検査SPECTが有用です。
外傷の場合は、びまん性軸索損傷、外傷性くも膜下出血、6時間以上の意識不明(昏睡)などによって高次脳機能障害と判断されます。
●「高次脳機能障害とは」
脳損傷に起因する認知障害全般を指し、失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれる。

一方、データ分析の結果、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を主たる要因として、日常生活及び社会生活への適応に困難を有する一群が存在し、これらについては診断、リハビリテーション、生活支援等の手法が確立していません。

行政的に、この一群が示す認知障害を「高次脳機能障害」と呼ぶ。

その診断基準は以下の通りです。
【国立障害者リハビリテーションセンターのホームページより抜粋】

診断基準

 ① 主要症状等
1. 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
2. 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。

 

 ② 検査所見
1. MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。

 

 ③ 除外項目
1. 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(I-2)を欠く者は除外する。
2. 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
3. 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する

 

 ④ 診断
1. ~③をすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する
2. 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。
3. 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。